年が明けてから、仕事が本格的に始まってきました。研究費申請、研究セミナーのオーガナイズについて書いておきます(2.2021)。
研究費申請
・The Research Council of Norwayの若手用研究費に応募しました。テーマが決まっているものといないものがあり、テーマの決まっていない基礎研究にしました。申請額は8000Kクローネ、おおよそ一億円相当です。これは一般的にノルウェーの若手PI、あるいはPIでなくともポスドクなどの若手研究者が、まず初めに申請する研究費のようです。これまでは、なかなかこのような、人を複数雇うような大掛かりな研究計画を立てたことがなく、自分ひとりで完結するような研究申請書ばかりを書いていたので、少し苦労しました。また、純粋に理論系・解析手法を開発するようなタイプの研究はあまり受けが良くないと囁かれていたので、実験系の同僚研究者と組んで、ゲノム編集実験を計画に組み込みました。書き方も米国とは少し違いました。様式以外の大きな違いとしては、例えば国連が掲げる持続可能な社会のための17の課題に、研究を通じてどのように貢献できるかを書くように求められていました。
・早めに準備をしていたつもりですが、知らない手続きプロセスが幾つもあったりで、結局かなり時間に追われることになりました。学部長など様々な関係者のサインを集めたり、予算について担当者の承認を得たりを締切日の直前にすることになってしまいましたが、関係者の皆様は手続を非常にスムーズに進めてくださりありがたい限りでした。とりあえず今年は一通りの手続きを覚えたので、来年以降に備えようかと思います。申請書の提出締切は午後1時となっており、私は締切日の朝に出したのですが、午後1時に Research Council of Norway のサーバーが混雑してクラッシュし、締切が3時間伸びたとのことでした。
・幸いにして、学内の若手スタートアップに通った(2年間で370万円くらい)ので、自分の出張費や会議参加費などは賄えそうです。このスタートアップはキャリア支援のプログラムもついており、ネットワークを広げるためのミーティングやメンター・メンティーシステムなどもあり、国外のメンターを指名するということです。学内で20名程度が選出されましたが、企業勤務の経験者や、私のように全くの外国から来たばかりの人などもそれなりにおり、なかなか多様で面白そうな顔ぶれになっています。メンターはノルウェー以外の国から選ぶようにということでまだ何も案がないのですが、折角なので面白い共同研究の出来そうな人がいいなとは考えています。
・論文出版に伴う費用は学部が出してくれるとのことです。分野によるでしょうが、生物系だと論文を出版するために30万円ー50万円くらいする学術雑誌もあり、問題になっています。また、博士学生を雇うための学内予算を申請しているので(通るかはわかりません)、通ったら求人広告を出すことになります。
オンライン研究セミナー
・所属研究所で外部講師を招いての研究セミナーシリーズが行われていたのですが、パンデミックで2020年一杯中止になっていたようです。これを復活させることにしました。オンラインということで、比較的広範な地域から講演者や参加者を集めやすくなりました(ただ、慣習通りの時間にすると、米国の西海岸エリアから人を招くのが非常に厳しくなってしまいましたが)。第一回は、40人ほど集まりました。聴講者は学内の人が半分くらい、残りはノルウェーの他の研究機関の人、ドイツ、スイス、英国などです。大学院生も活発に質問をしてくれて、にぎやかな会になりました。
・米国にいたときは、セミナー(シカゴ大学の複数のセミナーと、全米のセミナー)の前に十分程度、有無を言わさずランダムな小グループに分かれて自己紹介や雑談をすることになっていました(なお、最初はこうした慣習を知らず、歯を磨きながらセミナーを聞こうとしていたり、お皿を洗いながら聞こうとしていたので、慌てました。)。欧州でもこれを踏襲しようと思っていたのですが、セミナー開始直後に参加者にアンケートを取ってみたところ、なんと70%が「やりたくない」ということだったのでこれは中止することにしました。ノルウェーの人はかなりシャイなようです。
・司会進行の私がおそらく一番英語が下手(発音のアクセントと、流暢でない文法)なのですが、特に文句もつかずなんとかやっています。進行を滑らかにするとともに、いろいろと精進していきたいです。